輝く雨
もう来ないと思った。会えないと思った。
だから、宇汰の声で酷く安心した。宇汰を抱きしめて、ここにいるんだと実感した。
「宇汰……もう、私から離れないで」
すると、優しい笑い声が耳を撫でた。
それが、私がなにを口走ったかを思い出させた。
私は慌てて宇汰から離れ、背を向ける。
「今のなし!忘れて!」
だけど、宇汰は後ろから抱きしめてきた。
「忘れないよ。僕は絶対、月奏ちゃんから離れない」
体温が上がっていることが、嫌でもわかる。
恥ずかしくて宇汰の腕の中から逃げようとするけど、宇汰の力には勝てなかった。
「この前、どうして月奏ちゃんと星が見たいかって聞いたよね」
ずっと宇汰の声が耳元で囁かれる。
私の動悸はどんどん高まって、頭が回らなくなっていた。
だから、小さく頷くだけになった。
「昔、月奏ちゃんが言ったんだ。いつか、好きな人と星を見たいって。月奏ちゃんは覚えていないだろうけど」
……ええ、覚えていませんとも。