輝く雨
「プラネタリウムは何年やってもダメだった。だから、次の手段、星に見えるような景色を見てもらうことにした」
それが、雨に光を当てる、と……
「夜に雨が降る日でないと出来なかったから……」
ここまで聞いて、宇汰の想いがしっかりと伝わってきたと思う。
随分自分勝手だけど。
私はゆっくり宇汰に近寄り、宇汰を見つめた。
「……私のこと好きって言うなら、私が嫌って言うことはしないでよ」
「うん、ごめんね」
宇汰は優しく微笑んだ。
そして、私を見つめてきた。
あまりにも真剣に見てくるから、視線を逸らしたくても逸らせなかった。
「僕は長い間、月奏ちゃんが嫌だと思うことをしてきた。だから、今度は僕自身が嫌だと思うことをするべきだって思った。たった一回でなにを言ってるんだって思うだろうけど」
「……宇汰のバカ」
私が軽く拳で宇汰の胸を押すと、宇汰はその腕を引っ張って私を抱きしめた。
「……うん、知ってる」
そして私たちは唇を重ねた。
そのとき、輝く雨は止んでいた。