金木犀
「何の?」
俺は上に乗ったままとぼけてみる。
「えっ・・・その・・・・こういうことって言うか・・・心の準備がっ・・・・・・」
「こういうことって?」
「えっ・・こういうことって・・・あのっ・・・その・・・えっと・・・」
とうとう奈々の目から涙がこぼれた。
やばい、苛め過ぎた?
「ごめん、嘘、わかってるよ。」
「恥ずかしいよっ・・・けいちゃんのばかっ・・・」
両手の甲を目に当て泣き出す奈々。
「う~っ・・・」
俺はゆっくり奈々の手を退ける。
なるべく優しく笑い
「ごめんって、奈々可愛いから苛めたくなった。」
そう言って、ゆっくり頬を撫でてやると、恥ずかしそうに目線をそらす。
「けいちゃん・・・・今日・・・可愛いって言いすぎ・・・・」
いじけたように言う奈々が可愛すぎて
もう、理性保つの大変・・・・
小さく動く奈々の唇をにゆっくり近づき
もうすぐで触れそうなところで
「奈々、かわい・・」
そう呟いて、キスをした。
ゆっくり唇を離すと、真っ赤な奈々と目が合った。
とろんとした目、潤んだ瞳。
俺はすぐに目を反らし
横に転がった
奈々に腕枕をして、奈々の頬にかかる髪をそっと退ける。
「けい・・・ちゃん・・?」
まだ艶っぽい目をする奈々をギュッと抱き寄せ、額に唇をつける
「何もしないから・・・一緒に寝て?」
そう呟いて、目を閉じた。