金木犀
「あ・・・」
「奈々?」
動きを止めた私を不思議そうに由花が振り返る。
「けいちゃん。。」
私の視線の先を辿り、由花も同じ方向を見る。
カフェに入っていったけいちゃんは、店員さんと仲良さそうに話しながら窓際の席に座った。
顔見知りって言うか、仲のいい友達。
そんなふうに見えた。
黙ったままずっと見ていると。
次は背の高い綺麗な女の人がけいちゃんの向かいに座った。
けいちゃんとその女の人は、ずっと仲良さそうにお茶をしてた。
仕事一緒にしている人。
カフェはきっと常連さんなんだ。
そんなことわかってるのに。
モヤモヤしてるのはなんでだろう。