金木犀
結局、けいちゃんは電話に出なかった。
こんな時間まで仕事?
そういえば、おねーちゃんの家に泊まる時も、トヨ君遅かったな。。。
私が寝付いた後に帰ってきたり、結局帰ってこなかったり。
けいちゃんもきっとすごく忙しいんだ。
自分にそう言い聞かせて、布団に入った。
それから何日たったかわからない。
けいちゃんにとって、私って、どういう存在なんだろう。
ってこんなこと考える自分が嫌だ。
そんなことわかってるけど。。。
「んなやつ別れれば?」
放課後、ぼーっとしてる間に教室には誰もいなくなってた。
静かな教室で私に話しかけたのは海斗だった。
「え・・・・?」
私の席の前の椅子の背もたれに軽く腰掛けた海斗は、
「俺にしたらいいじゃん。」
そう言って笑った。