金木犀


「俺なら、ずっと奈々のこと考えてる。ずっとそばに居るし、いつでも遊べる。」


あんまり急な告白で、頭がついていかない。



なんて答えたらいいかもわからず、ただ、海斗を見つめることしか出来ない。




「ずっと元気ない奈々みてんの辛い。そんな奴、別れればいいじゃん。」




ああ、海斗は笑ってなんかいない。



悲しんでる。



悲しそうに笑ってる。




「俺は奈々のこと好きだから。」




海斗がそういったのと同時に、私の携帯が鳴った。





「あ・・・・・」




ポケットから携帯を出して、相手を確認したのと同時に



「わっ」



海斗に手を引かれた。




「俺なら悲しませないっ・・・だから・・・・」



耳元で聞こえる海斗の声。



でも、私はそれどころじゃなかった。





「海斗っ・・・ゴメン!」




そう言って、私は教室を飛び出した。




< 47 / 51 >

この作品をシェア

pagetop