金木犀







それから、週に一回はおねえちゃんの新居に遊びに行く。





金曜の夜は必ず。





お母さんには反対されたんだけどね。





「新婚を邪魔するな!」って。




でも私は邪魔しにいってるわけじゃないよ?





だっておねえちゃんの家の金曜はいっつも賑やかなんだ。





けいちゃんが必ず居る。












「うまそー。やっぱ結婚するのは料理のうまい人だな。」



そう言って、ダイニングテーブルに並ぶ料理をネクタイを緩めながら見るけいちゃん。



えっ・・?その料理・・・・。



私は焦ってキッチンに隠れる。



クスクス笑ったお姉ちゃんが




「けいちゃん、それ、奈々が作ったんだよ?」




「え?!まじで?!」



周りに居たトヨくんの後輩さんたちもびっくりする。




「スゲー奈々ちゃんすごいじゃん!結婚して!」




そう言って、キッチンに隠れる私に笑いかけるけいちゃんの同僚のダイくん。




「こら!誰がお前の嫁にするかよ!」



持ってた雑誌でトヨくんがダイくんを叩いた



「いたっ・・・なんでっすか!いいじゃないっすか!」



「お前はダメ。ぜったいダメ!!」




「じゃ!俺!俺は?!」



そう元気に手を上げたのがけいちゃんだった。




え?!!うそ?!




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