金木犀
顔がかぁって赤くなるのがわかる。
冗談・・・だよね・・?
「ばっ!お前らココに何しに来てんだよ!奈々はダメ!ぜ~ったいダメ!」
そう言って私をギュッて抱きしめるトヨくん。
「ははっ、なんかトヨさんお父さんみたい」
けいちゃんが笑う。
「そうなの!奈々は俺が認めたヤツじゃないと絶対ダメ!なっ」
そう言って私に同意を求めるトヨくん。
「も~っトヨくん!!離して!!」
赤い顔がばれないようにトヨくんの胸を押す。
トヨくんから離れてお姉ちゃんの後ろに隠れた。
「ほら~、そんなことばっか言ってないで!食べよ!冷めちゃうと美味しくなくなっちゃうよ!」
しゅんと拗ねたようにトヨくんが席に座る。
なんか傷つけちゃったかな・・・・
そう思って、トヨくんの隣に座る。
すると嬉しそうに笑ったトヨくんが
「変な男にだまされんなよ」
そう言った。
「え?!変な男って誰?!」
それが聞こえたけいちゃんが大きな声で言う。
「お前みたいな男の事!!」
「俺変な男じゃないし!」
「じゅーぶん変な男!さ、食べよ食べよ。」
けいちゃんの反論を無視ししてトヨくんはご飯を食べだす。
「こんないい男、なかなかいないと思うよ?ねぇ奈々ちゃん」
にっこり笑ったけいちゃんが私を見た。
ドキってして顔がまた赤くなるのがわかる。
けど、ギッとけいちゃんを睨むトヨくんを見て、私は苦笑いしかできなかった。