聖なる告白
というわけで、あの夏の日から私と一平君は、お付き合いすることになった。

同期の皆に驚かれたが、一平君が実はスポーツが得意なアウトドア派だと知ると、すぐに納得してくれた。趣味が合うことが決め手となり付き合うカップルは珍しくない。


(本当の決め手は、肉欲なんだけど……)


でもそんなこと、あらためて説明する必要はないよね。皆にはもちろん、一平君にも。

私はそう思っていた。

だけど、ぽろりと言ってしまったのだ。

クリスマスと年末の浮かれた空気に釣られて、ほろ酔い気分で。

それは、つい昨日のこと。

会社帰りに立ち寄った居酒屋で、私と一平君はカウンター席に並び、飲んでいた。

座敷は忘年会の団体で埋まり、あちこちから賑やかな声が聞こえてくる。


「小室さん、明日もデートするんだから、お酒はその辺にして。今夜は早めに帰ろう」

「はあい、わっかりましたあ。うふふ、楽しみだなあ」

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