聖なる告白
4
宮森一平君を男性として初めて意識したのは、今年の夏。

民宿での出会いは、沙織が仕掛けた『偶然』だったけれど、私には運命的な巡り合わせに思えた。

それぐらい感動したのだ。この上なくカッコよくてセクシーな、一平君のカラダに。

でも、それを正直に告げてしまうなんて、私は何という愚か者か。


(やっぱり、ドン引きされちゃったよね)


いや、ドン引きされたのは仕方ない。当然のことだ。

それよりも、彼を傷付けてしまったことが辛い。カラダ目当てで付き合う女なんて、どう考えても最低だ。

だけど、一平君を好きになった理由はそれだけじゃない。彼は聞く耳を持たず、去ってしまったけれど、きちんと伝えさせてほしい。


(プレゼントも渡したい。受け取ってくれるかな。ていうか、来てくれるかなあ)


夏の日を思い出し、さらに切なくなる。

プレゼントの小箱をバッグに仕舞い、時計を確かめた。約束の時間まであと2分。
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