聖なる告白
「民宿で会った時、優美は僕の体を舐めるように見ていた」

「ええっ?」


あの時、そんなに?

焦る私に、彼はクスッと笑う。


「もしかして体だけに惚れたのかなと、気になってはいた。もしそうならちょっと寂しいなと思って、昨夜、思い切って確かめたわけ」

「そ、そうだったの?」


何と、ほとんどバレていたのだ。あの時点で、既に!


「やっぱり体目当てだったのかと、単純にショックを受けて、優美が何か言おうとするのを避けて、逃げてしまった。僕らしくもなく、頭が熱くなってしまってね」


一平君は眼鏡をかけると、窓に顔を向けた。賑やかな街に、雪が降りしきっている。


「優美が好きすぎて、僕は理性を失くす。それこそ、いつ暴走するかわからないほどに。でも、情熱のままに突っ走って、君に嫌われたら元も子もないから、なるべく触れないようにしてきたんだ」

「……」


今初めて聞く、一平君の本音だった。
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