聖なる告白
『児島屋』という海の家のデッキで、沙織おすすめの焼きそばを食べた。

目の前には砂浜と、先ほど潜ったばかりの青い海原が広がっている。濡れたビキニの上に着たTシャツは、太陽の熱ですっかり乾いてしまった。


「優美ってさ、同じ会社の人に興味ないの? 例えばほら、同期の男子とか」


焼きそばをほおばりながら、沙織が何気ない感じで私に訊いた。彼女とは入社以来の付き合いであり、同期の中で一番親しい間柄なのに、あらたまった質問である。


「うーん。いいなあって思う人はいるけど、既婚者だったり、彼女持ちだったり、上手くいかないんだよね。同期では、勇一君がタイプだったけど」

「ええっ、そうなの? あの筋肉マッチョの脳筋野郎!?」


沙織は腹を抱えてげらげらと笑う。
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