聖なる告白
「わあ、まぶしい……ん?」


正面の渚を、背の高い男性がゆっくりと横切っていく。大勢の海水浴客で賑わう砂浜の上、ひと際目立つそのシルエットに私は吸い込まれた。

逆光なので顔がよく見えないが、姿勢からすると若い男性だ。肩幅が広く、腰回りはがっしりとして逞しい。筋肉質の引きしまった身体なのだろう、とてもきれいな輪郭をしている。


「やだ、かっこいい……」


私は身動きもせず、その男性に見惚れた。

胸がドキドキする。

理想を絵に描いたようなアスリートボディだ。


「優美、どうしたの?」


沙織に呼ばれて、ハッと我に返る。私は彼女に振り向き、急いでそばに来るよう手招きした。


「何よ、誰か知り合いでもいた?」


沙織は海へと目を凝らし、なぜかにこりと笑う。


「違う違う。今、すっごく素敵な人を見つけたのよ」

「えー、マジで。どこどこ?」
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