雨としゃぼん玉
彼女と四つの嘘

アタシ

寒気で目が覚めた。
窓を開けっ放しで寝てたからだ。
窓を閉めようと思ったらキンモクセイの匂いがした。
いい匂い。
結構好きかも。


今日の降水確率は40%。
アタシは念のためにバッグにカサを入れて家を出た。


「ナオ、明日の試合に行くよねッ!」

肩を突然叩かれて、なんだ、と思ったらマキだった。

マキとアタシは一年のときから同じクラスの大親友。
いっつも一緒。


「えっ、なんの?」
「野球部のにきまってんじゃん、行こう!」

マキは超恋多き乙女。
2週間に一回くらい一目惚れしてる。
そんなマキの次なるお相手は野球部の伊沢くん。

アタシはそこまでカッコいいとは思わないけど、
女子には絶大な人気を誇っている。

「え、でもぉ…」

「相葉くんも出るかもだってよぉ?」


ホント?

「それに、ココでやるみたいだし。
ほら、一人だとハズいじゃん?」

マキはミーハーだしホレっぽいけど純情。

アタシは…
そんなマキがうらやましい時すらある。

マキに行くよね!って言われて
うん、ってうなづいた。
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