触れられないけど、いいですか?
霜月さんと優香さんがやったことは、私にとっては許せないことだ。
だけど、そこまでは知らない父からしたら、霜月さんのお父さんのお話は、確かに〝悪くない話〟なのだと思う。
霜月さんのお父さんからの話は一見一方的ではあったけれど、決して何かを脅してきた訳ではない。
父からしたら、日野川家との縁談を破断されたところにやってきた〝救いの手〟とも言えるかもしれない。
救い、は大袈裟だとしても、朝宮食品にとって今後メリットのある、悪い話でないことはないことは確かなのだ。
だから私はーー
「分かってる、よ……」
そう言いながら、私はギュッと目を瞑る……翔君への思いを断ち切るように。
でも。
瞼の裏に見えるのは、優しくて穏やかな、翔君の温かい笑顔。
だけど、そこまでは知らない父からしたら、霜月さんのお父さんのお話は、確かに〝悪くない話〟なのだと思う。
霜月さんのお父さんからの話は一見一方的ではあったけれど、決して何かを脅してきた訳ではない。
父からしたら、日野川家との縁談を破断されたところにやってきた〝救いの手〟とも言えるかもしれない。
救い、は大袈裟だとしても、朝宮食品にとって今後メリットのある、悪い話でないことはないことは確かなのだ。
だから私はーー
「分かってる、よ……」
そう言いながら、私はギュッと目を瞑る……翔君への思いを断ち切るように。
でも。
瞼の裏に見えるのは、優しくて穏やかな、翔君の温かい笑顔。