触れられないけど、いいですか?
「翔さん……」


どうして、こんなにも真剣な眼差しで私を見つめるのだろう。

どうして、こんなにも私に優しくしてくれるのだろう。

どうして……まるで私じゃなきゃ駄目みたいなことを言うのだろう。

私達は出会ったばかりで、私は翔さんに触れることも出来ない……翔さんなら、私以外にもっと相応しい結婚相手がきっといるのに。


そう、思うのに。



「本当に……いいんですか?」


そう尋ねてしまう私は悪い人間だろうか。
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