触れられないけど、いいですか?
女の子に声を掛けられた私は、急に安心感に包まれる。

睫毛が長くて白い肌が綺麗な子で、青色のキャップの下からは緩く編んだ三つ編みが左右対称に覗いていた。


「ちょっと、気分が悪くなってしまって……」

「無理しないでください。次の駅で降りましょう。私も付き添いますから」

話していると、電車はゆっくりと停車し、駅に着く。

言葉通り、三つ編みの彼女が私に寄り添って一緒に降車してくれた。
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