触れられないけど、いいですか?
とは言え、目の前にいるこの人は明らかに男性……だよね? 髪は短いし、スーツ姿。当然メイクもしていない。
でも、それにしては顔が似過ぎているような。顔だけじゃない、身長も声も、そっくりだ。
何より、彼から漂うこの香り。覚えがある。
思わずじっと見つめてしまっていると、目の前の彼がフッと微笑んだ。そして。
「販売促進部の朝宮さんだよね? 今日は何時に仕事終わる?」
「え、ええと、このまま更衣室で着替えて、退社しますが」
「そっか。俺ももうすぐ終わるんだ。良かったら、一階のラウンジにあるカフェでお茶でもしない?」
すぐに向かうから先に待ってて、と言い残し、彼は総務部室の中へと戻っていってしまった。
「あ、あの……!」
さすがに、仕事の用事でもないのに総務部室の中にまで入っていくのは気がひけて、私はとりあえずドアを閉めた。
男性と二人でカフェでお茶なんて、恐ろしすぎて普段の私だったら絶対に有り得ない。
だけど……気になる。今の彼と、昨日の女の子の関係性。さっきの微笑みも、絶対に何か知っている風な笑い方だったし。
……何より、とても不思議なことなのだけれど、さっきの男性からは〝恐怖心〟が感じられなかった。
翔さんですら、初めて会った時は手を振り払ってしまったくらいなのに。
それもあって、私は更衣室で通勤用の私服に着替えた後、言われた通り一階のラウンジのカフェで彼を待った。
でも、それにしては顔が似過ぎているような。顔だけじゃない、身長も声も、そっくりだ。
何より、彼から漂うこの香り。覚えがある。
思わずじっと見つめてしまっていると、目の前の彼がフッと微笑んだ。そして。
「販売促進部の朝宮さんだよね? 今日は何時に仕事終わる?」
「え、ええと、このまま更衣室で着替えて、退社しますが」
「そっか。俺ももうすぐ終わるんだ。良かったら、一階のラウンジにあるカフェでお茶でもしない?」
すぐに向かうから先に待ってて、と言い残し、彼は総務部室の中へと戻っていってしまった。
「あ、あの……!」
さすがに、仕事の用事でもないのに総務部室の中にまで入っていくのは気がひけて、私はとりあえずドアを閉めた。
男性と二人でカフェでお茶なんて、恐ろしすぎて普段の私だったら絶対に有り得ない。
だけど……気になる。今の彼と、昨日の女の子の関係性。さっきの微笑みも、絶対に何か知っている風な笑い方だったし。
……何より、とても不思議なことなのだけれど、さっきの男性からは〝恐怖心〟が感じられなかった。
翔さんですら、初めて会った時は手を振り払ってしまったくらいなのに。
それもあって、私は更衣室で通勤用の私服に着替えた後、言われた通り一階のラウンジのカフェで彼を待った。