【短編】ひとりぼっちのクリスマス
イケメンサンタ
「トウマ、どうしたの?」
「んー。
ユカリが心配だったから来た」
「知ってたの?」
トウマは私の保育園の頃からの幼なじみ。
高校は別になったけど。
ちなみにカズトと同じ高校。同じ部活。
「アイツが告白されてるのは知ってた。けど」
「けどって何よ」
「断ってると思ってた。さっきまで」
トウマはさっき、2駅先のショッピングモール内にあるスポーツ店でスパイクを見に行っていたらしい。
そこに、カズトがいたんだって。
私ではない女の子と一緒に。
「ユカリが泣いてるんじゃないかと思って」
「あいにく、一粒も涙なんか出てないよ」
「ユカリ、寂しがり屋だろ。
今日、おばさん達いないらしいし。
おれ、クリぼっちだから来た」
ニコッと笑うトウマに「バカ」とだけ行って、家に入れた。