波と歌とアダージョと

ーーーーーーーーーーーーーー
ピアノ調律師の父と
英才教育をしたかった母の影響で、
物心ついたときにはすでに
弓を片手に、ヴァイオリンを
いつでも抱き抱えていた。

「ニナ、ばいおりんと結婚する!」
そうやって笑ってたあたしも
年を重ねるにつれてどんどん
追い込まれていった。


「あなたはヴァイオリ二ストになるの」
「音大に進学して卒業後はウィーンよ」


まわりの大人たちの期待に応えなきゃ。
そうやって練習をしているうちに
あたしの中でヴァイオリンの存在は
夢でもなく、ただの「義務」に変わっていた。

---------------
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop