絶対にバレてはいけません

まだ、赤ちゃんらしい体じゃないけど動いていた。

私は無意識にお腹に手をやる。
ここに私の赤ちゃんがいるんだ‥

でも、この子には父親が‥
と私は色々考えてしまっていたら

その様子を見ていた先生が、
「何か不安なことでもある?」

と優しく聞いてきた。


「あ、あの私この子産んで育てられるのかなって思ってしまったんです。」

不安な気持ちをぶつけてみると先生は

「誰でも初めては不安よ。
でも、あなたはお母さんへの一歩を踏み出しているわ。

だって、お腹を大事そうに触っているでしょ?
妊娠中のお母さんはほとんどの人がお腹を触るといい顔になるの。」

あなたもそうでしょ?
と先生も私のお腹をそっと撫でる。

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