私達の世界はタイトル未定。
「……か、ちょう、できました」
「ありがとう、助かるよ」
苦しくても、声が出なくても、働かないわけにはいかない。
現在二十五歳、大学事務の仕事を始めて七年になるものの、実際大学に通ったことはなかった。
毎日学内では楽しそうな大学生達を沢山眺めながら、一人暮らしをしている大学すぐ近くのアパートに帰る。
元々私に期待をしてくれていた両親とは、最低限しか関わらないようになっていた。両親が見るからに冷たくなったわけではないが、ただただ、私はこうなってしまった自分を責めることしかできなかった。