私達の世界はタイトル未定。



 声のきつそうな鳰さんから、味付けを教えてもらうのは気が引けたが、何とか二人で三品とサラダを作り終えると、奥の部屋で手を合わせた。

 小さな白いテーブルに、湯気の上がる美味しそうな料理が並ぶ。

 部屋には、ベッドにテレビ、本棚には雑誌や本がいっぱい入っている。俺の知らない、普段の鳰さんを垣間見ているかのようだ。

「さ、た、食べましょうか」

「美味しそう。いただきます」


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