私達の世界はタイトル未定。
そこまで言うと、俺はスープを飲み、鳰さんから視線を逸らした。
別に無理に友達になろうとは思わないが、故意に避ける必要もないと思った。
ただ、それだけだ。
「作り過ぎましたね、余りそうじゃないですか?」
「あ、余ったら、持って帰ってもらって大、丈夫、ですよ」
「それは嬉しいですね」
「よっ、喜んでもらえた……のは、私も嬉しいです」
「大満足です」
言うと、俺は静かに頬を緩めた。押しかけた申し訳なさはある反面、言いたいことはサラッと伝えられたし、良しとしよう。