私達の世界はタイトル未定。
──好き、なのか?
聞いたら好きでも違うって言いそうだが、こういう時の感って、結構当たったりする。
「じゃあ、今日はお邪魔しました」
「い、いえ……それじゃあ、ま、また」
「はい、また」
バタン、と扉が閉まっても、俺は暫く重い扉の前から動かなかった。
右手には、残りのご飯やおかずが入ったパックが入った袋の重みがある。
……今度、お礼しないと。何が好きか、シレッと聞いとけば良かった。