私達の世界はタイトル未定。




 ──好き、なのか?

 聞いたら好きでも違うって言いそうだが、こういう時の感って、結構当たったりする。

「じゃあ、今日はお邪魔しました」

「い、いえ……それじゃあ、ま、また」

「はい、また」

 バタン、と扉が閉まっても、俺は暫く重い扉の前から動かなかった。

 右手には、残りのご飯やおかずが入ったパックが入った袋の重みがある。

 ……今度、お礼しないと。何が好きか、シレッと聞いとけば良かった。



< 120 / 459 >

この作品をシェア

pagetop