私達の世界はタイトル未定。
一人階段に残り、ご飯かどうしよう……と先のことを考えていると、再び今度は頭上から名前を呼ばれ、頭を上げると道重さんがこちらを見下ろしていた。
「鳰さん、さっき言ってた子の奨学金の件なんだけれど」
「は、はい、何か手違いありましたか?」
「ううん、そうじゃなくて、まぁ急ぎじゃないからお昼後でもいいんだけれどね。……それより鳰さんって、学生さんにモテるのね」
「えっ」
「さっきの男の子とのやり取り、私見てたのよ」