私達の世界はタイトル未定。




 道重さんはニヤッと笑うと、階段を下りてきて私に笑いかける。

「この間食事に誘われていたのって、また違う学生さんだったわよね? 一体どういう繋がり?」

「……どう、いう……特に接点があったではなくて」

「鳰さん、美人さんだものね、モテモテで羨ましいわ」

「やっ、ぜ、全然そんなことないので……」

 何だか恥ずかしいな、全部見られてた……。

「年下の彼氏、いいじゃない。あ、鳰さんって彼氏いたんだっけ」

「い……いません、けれど」

「じゃあ、これから楽しみね」

 楽しみだなんて、発展のあるような関係ではない。奈古君が私を食事に誘ったのは、きっと借りを作りたくないからだろう。


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