私達の世界はタイトル未定。



「なっ奈古君、今日は本当にありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました」

 鳰さんは小さく手を振ると、小走りで階段を上り、その途中でまた俺の方を見てきた。

 そこでもう一度俺が手を振ると、鳰さんの方も手を振り返してくれた。

 鳰さん、少しは楽しめたかな。

 俺は、無口なりに楽しめたけどな……。



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