私達の世界はタイトル未定。




 ──いただきます。

 無言で手を合わせると、今朝作ってきた鮭おにぎりを口に入れる。

 今日は塩加減がちょうど良い。美味しいな。

「お、みやちゃん?」

 雨音を聞きながら食事をしていると、横の方で声が聞こえ、顔を上げると桃園君がいて、目が合うと小走りで近付いてきた。

「へー、お弁当かぁ。自分で作ってるんですか?」

「い、一応……でも、あまり上手くないかも」

「そんなこと言ってぇ、絶対料理上手のくせに」



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