私達の世界はタイトル未定。




 桃園君は私が持っていた箸を抜き取ると、箱に入ったハンバーグを口に投げ込んだ。

「うーん、美味い。これも手作り?」

「き、昨日の、残り物です」

「手作り弁当かぁ、女子力高くて良いっすね」

 桃園君はニッと笑って、私の頭の上に手を置いてポンポン。

「みやちゃん、可愛い」

 桃園君は恥ずかしげもないようだが、私は傘を差して奥からやってくるあの子を見つけると、桃園君の手をやんわりどけた。



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