私達の世界はタイトル未定。
「あ、あの……守屋君、私、今日は返事をしたくて」
「うん、ちゃんと聞くよ。ずっと待ってたからね」
「そ……れが、その……」
友情にヒビが入ってもおかしくないことを、私はいざ、言おうと徐に口を開こうとした所で──
「あら、守屋君」
「あ、槙《まき》さん」
「……守屋君が私以外の異性と会ってるって、珍しい」
私達の横の通路を通りかかった一人の女性が、守屋君を見て足を止めた。