私達の世界はタイトル未定。



「あ、あの……守屋君、私、今日は返事をしたくて」

「うん、ちゃんと聞くよ。ずっと待ってたからね」

「そ……れが、その……」

 友情にヒビが入ってもおかしくないことを、私はいざ、言おうと徐に口を開こうとした所で──

「あら、守屋君」

「あ、槙《まき》さん」

「……守屋君が私以外の異性と会ってるって、珍しい」

 私達の横の通路を通りかかった一人の女性が、守屋君を見て足を止めた。



< 360 / 459 >

この作品をシェア

pagetop