私達の世界はタイトル未定。




 何故、槙さんは私のことをすぐに分かったのだろう。守屋君が私の話を周りにもしているのだろうか。

「あぁ、この人が本命か」

「槙さん、早く戻らないと誰か待ってるんじゃ」

「今日は一人で来たから、誰も待ってない」

 槙さんはスパッと言うと、再び私を上から見下ろす。

「私、守屋君のアパートに何度も泊まりました」

「……え」


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