学園スパイラル~七不思議編~
「でさでさ、五つ目なんだけど。音楽室のピアノが、誰もいないのに曲を弾くのは定番だけど。その曲がね。犬のお巡りさんなんだって」

「ほ、ほう」

 それはさすがに予想外だった。

 一体、どんな曲調で弾いているのだろうか。どれほど暗いリズムでも、その作品では恐怖をかきたてられない。

 スパゲティを食べ終えた健は、ナプキンで口を拭いオレンジジュースに手をのばす。

「六つ目はね。体育ドームの真ん中であやとりする少女の霊」

 匠はそれに眉を寄せた。

「体育ドームで、あやとり?」

 何故そんな、だだっ広い場所であやとりを──我が学園の七不思議はどこかおかしい。
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