学園スパイラル~七不思議編~
「もうちょっと練習しようか」

 匠がニコリと笑って、ゆっくりと弾き始める。さらに弾き続けること三十分、匠がおもむろに立ち上がった。どうやら本番らしい。

「君ならやれる」

 励ます匠に、いよいよかと健と耕平が固唾を呑んだ。

 ──暗闇に奏でられるアヴェ・マリアは多少、詰まる部分もあったが最後まで続けられた。そうして、再び静かになった音楽室に匠の拍手がこだまする。

「うん、よく出来たね」

 その言葉に音楽室がにわかに暗くなった。

「成仏したってことかな?」

 最後は、いよいよ食堂だ──!




 
< 55 / 68 >

この作品をシェア

pagetop