学園スパイラル~七不思議編~
 
 ──しばらくして匠が校長室から出てきた。

 その表情からは、怒られた素振りは見受けられない。何を言われたのだろうか。

「どうだった?」

 問いかける健の隣にいる耕平を一瞥する。

「約束は大盛りとドリンクLだったかな。デザートもプラスしよう」

「ホント? やった!」

「おい、何を言われたんだ」

 妙に機嫌の良い匠に眉を寄せる。

「少々の不満はあるけれど、良い依頼だったよ」

「依頼?」

 どういう事なんだといぶかしげな耕平を意に介さず、遠ざかる匠を追いかける健は、

「匠は将来、探偵になるの?」

「さあ。どうだろうね」

「探偵?」

 どうして、そんな話になるんだ。それじゃあまるで、今回の件は誰かが周防に依頼したみたいじゃないか。

 そう思った瞬間、耕平はハッとした。
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