男の子のゆめ
しかし、女の子のことばは
男の子の心を大きくうらぎるものでした。



「え?それってどういうこと?
わたしがけっこんのやくそくをしたのはあなただけよ?

どうしてそんな話を広めるのかしら…
きっとそのひと頭がいかれちゃってるんだわ」



「ほんとうに?」



「ほんとうよ
そのおかしな話を広めているひとってどんなひとなの?」



「あぁ
いつもいじめられて
かおをパンパンにはらしている
きもちのわるい男さ」



「……………」



女の子はなにかをかんがえるようなしぐさをしました。



(…わすれていたのはかなしかったけど
これでおもいだしてくれたよね…)



「あぁ!」



「やっぱりそうだったのかい?」



「ちがうわよ
あのきもちのわるい
ゴミみたいな男なら
わたしもしっているわ

あいつはむかしわたしのいえのちかくにすんでいたの

それでわたしをすきになって
かってにそんなバカみたいな話を広めているのね…」




男の子はききたくなくて耳をおさえました。



しかし、女の子の声はきこえてきます。
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