男の子のゆめ
男の子はなきました。
ないて、ないて、ないて
声がかれてのどがいたくなりました。


男の子はなきつづけます。
声はやがてでなくなり、かわりに口から血がふきだしました。
それでもからだのおくそこからこみあげてくるどす黒いかんじょうをこらえきれず男の子は自分ののどを、かおを、からだをかきむしりつづけます。

こぼれおちるなみだも気がついたころにはとうめいなしずくから黒くつめたい赤に変わっていました。


ポタッ…ポタッ…ポタッ…


からだ中からふきだす血と
ながれでるなみだが
男の子のからだをよごしていきます。
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