男の子のゆめ
からだ中をかきむしりながら苦しむ男の子のあたまのなかに女の子のことばがこだまします。


まるでこわれたカセットテープのように…


なんども、なんども…



男の子は耳をおさえましたが
声はやみません。



「うっ…ううっ…
こんな耳さえなければ
あんなことばきかずにすんだのに…
こんなものっ!」



ズバッ!!!


ぶしゅうっ



男の子のかおのよこから
血がしたたりおちていきます。



男の子はじぶんで両耳を
そいだのです。
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