Flower〜君に伝えたいことがある

三葉の家は俺の通学路の途中にある


少し早いかとも思ったが三葉のアパートの前に差し掛かる


するとちょうど三葉が家から出てきた


「おはよう」

鍵を閉めてる三葉に声をかける


「あ……!!おはようございます」


突然声をかけたせいか三葉は一瞬驚いたようだった

でもすぐに笑顔になる


「敬語……要らないって」

「はい!……あ」

そう言うと三葉はクスッと笑う

俺もつられてクスッと笑った


昨日の今日なのに笑わないと言う噂なんて嘘みたいに三葉はわらってくれた

中途半端な6月という時期に転校してきた彼女

携帯も持たなければ友達の作りようもなかったはずだ

ましてや毎日のように誰かに告白されては
周りの女子の目も痛かっただろう


笑わないんじゃなくて笑えなかったんだ……


幼い頃の自分と三葉を重ねる


受け入れて貰えないかもしれない不安と
受け入れられない自分との葛藤


俺はただあのシロツメクサの女の子のように

三葉の力になれればいいと思った

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