Flower〜君に伝えたいことがある
~ichiyou side
その夜
三葉は咲の洋服を借りて俺とベッドで寝る
母さんとの約束で節度を守って手を繋いで寝た
……と言うのは言い訳で
抱きしめてしまうと溢れる気持ちを抑えきれそうになかった
こんなにも誰かを大切に思ったことはない
あの日会った『みつ』と呼ばれる
シロツメクサの女の子
あの子にまた会いたくて
会いたくて仕方なくて
俺は『みつ』という名前の女の子としか付き合わなかった
むしろその名前以外興味がなかった
俺が想い続けた女の子は現れなかった
偶然だけど三葉も『みつ』がつく……
でももうそんなことはどうでもよかった
あの日の笑顔よりも今隣にいる三葉の笑顔が
何より俺を変えてくれる
そう感じていた