Flower〜君に伝えたいことがある
三葉の家の前に着くと深呼吸する
今俺よりぐちゃぐちゃになっているのは
きっと三葉の方だ……
息を整えるとインターフォンを押す
「……はい」
インターフォン越しに聞く三葉の声……
「三葉……」
「……」
沈黙が続く
やっぱりもう会えないのか……
カチャ……
家の扉が開く
そこにはタオルで顔を隠した三葉が居た
俺は三葉を力いっぱい抱きしめる
三葉の顔からタオルを外し
泣き腫らした彼女の目を見つめる
「三葉……もう...会えないかと思った……」
そう言った俺の頬に涙がつたう
その夜は何も話さず一晩中2人で泣いた
時には泣いているのが面白くなって
笑いながら泣いたり
抱きしめ合って
一緒に居られることの喜びを噛み締め合った