Flower〜君に伝えたいことがある
「何で三葉の母親と離婚したの?」
両親が顔を見合わせる
母さんは『大丈夫よ』と言わんばかりに頷いた
「お父さんは洋子……三葉のお母さんが大好きだったんだよ、三葉が産まれて幸せだった」
父さんはゆっくり話し始める
洋子さんには長年忘れられない相手がいた
それが父さんの親友だった
悲しい顔をする洋子さんを見たくなくて
相談に乗っていた
自暴自棄になっていた洋子さんと一夜の過ちで
三葉を身篭った
洋子さんのことが大好きだった父さんは
『この子を産んでほしい』
と、プロポーズをした
『あの人を忘れられない』
洋子さんにそれでもいいからと言って
籍だけを入れ結婚した
「俺達は友達夫婦だったんだよ、いつか洋子に本当に愛する人が出来れば俺は身を引く覚悟だった」