Flower〜君に伝えたいことがある
家を出た日から父さんは酒に溺れるようになる
毎日グダグダになるまで飲んだ
そこに店に来ていたのが母さんだった
母さんも当時相手を失い俺と咲を預けた時にだけ飲みに出ていたらしい
偶然にも2人は同じ大学の先輩と後輩で意気投合し
2人で飲みに出るようになった
1年が経ち俺と咲のことを考え再婚することにした
籍を入れたその日俺が家から飛び出したあの日
洋子さんが父さんの前に姿を現す
『あなただけ幸せになるなんて』
ただ一言だけそう言って去って
その日俺はシロツメクサを持って帰る
『女の子に貰ったの!【幸福】の花なんだって!』
そう言った俺を父さんは抱きしめる
父さんが教えたシロツメクサの花言葉
「その花を渡したのが三葉だと思った、別れの挨拶もしなかった父親のことを覚えてくれていた…それだけが嬉しかった」