恋愛格差~本気の恋を教えて~
「着いたから、もういいでしょ?」

「そうか。じゃあな。ちゃんと戸締まりしろよ」

「あんたに言われなくてもするわよ」

上半身だけ振り返って、鋭い眼光の無愛想男は

「あんたじゃない。俺は岡副 透だ。覚えとけ。
美人の栞ちゃん」

ヒラヒラと高く突き上げた右腕は、すぐにコートのポケットに沈んだ

イヤなやつ

「あんたなんか、あんたで十分なんだから」

背中に向かって叫ぶけど、僅かに肩が揺れて笑ってること
が暗闇でも分かった


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