俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
五階建ての会議場の窓からは、朱国の街並みがよく見える。桜花国と街並みは似ているようで全然違う。

「会議が終わったら観光するのかネ?」

リーが訊ねる。答えは一つだ。

「行く行く〜!楽しみ!」

リリーとアレックスがはしゃぐ。

「こら!会議室の中で走るな!もう会議を始めるぞ!」

「は〜い」

リリーが元気になったということは、また仕事が増えるのだ。それでも嬉しさはあった。



会議を終えた後、俺たちはいつものように資料などを片付け、会議場の外に集合した。

「ここからだと中華街が近いネ!」

楽しげなリーを先頭に、てくてくと道を歩く。リーの横にリリーが並び、笑顔で話しかけた。

「中華街ってどんなところ?」

「色んな食べ物や買い物ができるところだネ!」

「楽しみ〜!」

「きっとみんな気にいるネ!」

そう楽しげに話すリリーは、ロール国での病気が嘘のようだ。あれだけぐったりして元気がなかったのだから安心してはいるが、他の男と仲良くしているのを見ていると、胸がモヤモヤしてしまう。リーに恋人がいるのは知っているのだが……。

「リーバス、どうした?ヤキモチ?」

アレックスが俺の顔を覗き込む。俺は、体温が急上昇していくのがわかった。

「なっ…!ち、違うぞ!!リーに結婚を約束した恋人がいるのは知っているし、リリーはリーと仲がいいしな!!」
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