俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
真っ赤になりながら、フローレンスは俺に早口で言って小町の隣に行った。

イワンは俺の腕をとっくに放し、ジャックと話している。

イワンの家が謎の倒壊をした後、イワンはフローレンスの家に招かれ、今はラス国で生活している。ラス国の農家の人の畑を手伝っているようだ。

「まあ、俺らはみんな応援してるよ!リーバスならきっと大丈夫さ!」

アレックスが俺の背中を強めに叩く。俺はため息をついた。

「…どこにもそんな根拠はないだろう」

そう、この恋が成功する保証などどこにもない。ロール国でリリーに「好き」と言われたが、それは熱で浮かされていたからであって、本当の告白などではない。

リリーと俺では、立場も地位も違いすぎる。たとえ奇跡的に想いが通じあっても、世間が関係を許すとは思えない。

ふと顔を上げると、リリーがくるりと俺の方を振り向いた。そして、俺に無邪気な笑顔が見せる。

『た、の、し、み、だ、ね。いっ、しょ、に、ま、わ、ろ、う』

リリーは笑顔のまま、声を出さずに口だけを動かす。言い終わるとまた笑い、前を向く。

俺の胸が高鳴る。暗い考えが吹き飛び、周りのことなどどうでもいいと思ってしまう。
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