俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
あの従業員に水をかけた入れ墨男は笑っていない。みんな笑っているのに、一人だけ別世界にいるように笑っていない。

俺は違和感を覚えたので、この男をマークすることにした。事件があってからでは遅い。

漫才は順調に進んでいく。

「なんだネ、これ!『ユッコは家が壊れてしまい怒りに震える母に「違うよ!私じゃない!あのデブの男がドシンドシンしてガラガラガッシャーンだったの」と言った。すると母も、「じゃあ仕方ないわね」と言った』って…。こんな無茶苦茶な問題、テストじゃないネ!!」

「リーくん、うるさいです!教室から出て行きなさい!」

男の人の声が響く。リーが肩を落とし、アレックスが悪の帝王のような笑いをして、無事に漫才は終わった。

「いやぁ〜緊張した〜」

舞台そでに戻ってくると、アレックスは大きく息を吐いた。

「すごくおもしろかったよ!!」

リリーが拍手をしながら笑う。小町も「とても素晴らしかったです。お疲れ様です!」と微笑む。

「間違えないかドキドキしたヨ〜。あれは心臓に悪いネ〜」

リーが心臓のあたりを押さえながら苦笑する。

「何言ってますの!舞台慣れをしているみたいでしたわ〜」

「そうですよ!とてもおもしろかったです!」

フローレンスとジャックが言った。
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