俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「二人ともお疲れ!この調子で最後まで頑張ってくれ。くれぐれも馬鹿騒ぎをしないように!」

俺がそう言うと、「馬鹿騒ぎ!?」とリリーの目が輝く。

「あとで打ち上げしような!」

アレックスが笑い、「ハメを外すなよ」と俺は釘を刺した。

次は、小町とフローレンスによるダンスだ。


あなたに会えて幸せだった
全て色づいてきれいだった……


ゆっくりとした曲に合わせ、二人は舞台の上で踊る。どちらも負けず劣らず美しい。

誰かが手拍子を始め、それがどんどん広がっていく。俺たちも舞台そでからエールを送るために、観客に負けじと大きな手拍子を送った。


あなたは他の人の手を取って私を捨てて行った
雪が溶ける頃に
花が咲き乱れても私はいつまでも
凍りついたまま動けないでしょう


踊りで悲しみや苦しみを二人は表現している。あの短時間でここまでのものを見られるとは驚きだ…。

俺も負けられないな、と俺はジャックを見つめた。

小町とフローレンスのダンスが終わり、二人が舞台そでに戻ってくる。

「緊張しました!あんなダンス初めてです!」

小町が興奮しながら言った。頰は踊ったばかりのためか、赤い。

「すごく上手!感動したよ〜!」

リリーが小町に抱きつく。……それが羨ましいと思ったのは、気のせいではないだろう。
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