俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

男性は舌打ちをして舞台から降りて行った。

大広間はまたざわつく。何あの子、と言いたげな視線がリリーに突き刺さった。

和やかな空気は、いつの間にか消えている。そんな中、リリーは笑顔になり、拒絶した理由を説明した。

「いや〜私が屋敷で裸踊りをしている姿が映っちゃって…。さすがに裸はダメでしょ！」

「ということは、リリーくんは普段から裸踊りをしてるってこと？」

イワンの問いに、リリーは「そうそう！」と頷く。

観客たちは「そういうことか！」と大爆笑し、和やかな空気が何とか戻った。

そのあとはみんなで歌って解散となったのだが、俺はリリーの目の色や映った真実が気になってしょうがなかった。

リリーをじっと見ていれば、リリーは気づいて手を振ってくれる。それが愛しくて、それと同時に真実を認めたくなくなった。



その日の深夜、ある人物は宿を抜け出し、宿の近くにある民家へと向かった。黒いフード付きの服を着て、しっかり変装をしている。

コンコンコン、と扉をノックすると民家の家主である女性が姿を現した。

「お待ちしておりました。汚いところですが、どうぞお入りください」