俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
私は大きく頷く。リリーさんは、私の手を握って「広場で友達が待ってる!行こう!」と言い、走り出した。

つないだ手や、頰を撫でる風の感触が、私にとって全て初めてのことだった。胸が高鳴り、私は自然と笑顔になる。家では決して現れることのない偽りのない本当の笑顔を…。

広場では、数人の同い年くらいの子がいて、私は嬉しくなる。私は、同じ年の子と遊んだことなど一度もなかったからだ。

「今日から新しい仲間が加わったよ〜!エーメ!仲良くしてね!」

リリーさんが明るく言うと、「ようこそ!タンバリー探検隊へ!!」と一人の男の子が言ってくれた。みんな拍手をしてくれる。私は頭を下げ、感謝を表した。

「それじゃあ探検に行こう!出発〜!!」

リリーさんの掛け声に、全員が「おおー!!」と叫ぶ。私も同じように叫んだ。初めてのことで戸惑ってけれど、嬉しかった。

リリーさんたちと一緒に、私は草花の咲く草原や、迷路のような複雑な道、きれいな絵が描いてある市場を探検した。どれもこれも初めて見るものばかりで、私は街に来てよかったと思った。

休憩としてベンチに座り、みんなで食べたジェラートは、家で一流シェフが作ったケーキよりもおいしかった。
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